どんぐりが食べられるってご存じでしたか?
私は子供の頃、椎(シイ)の実のどんぐりは食べられるとうっすら聞いたことがあった程度で、あえて食べようとしたことはありませんでした。
私の周りには野山で採ったものを美味しく食べることに限りない情熱を燃やす人が若干名いまして、今どんぐりが旬だということを聞いていました。
今回、仲間うちで作っているSNSのグループでどんぐり料理をいろいろ作って食べてみよう!という企画が俄かに盛り上がった時、正直やや腰が引けていた私ですが、心に火が付いた仲間の勢いは止まりません。
え?ちょっ・・・、気づいた時にはもう引き返せないところまで来ていました☺。
というわけで、どんぐり尽くしフルコースの珠玉の料理をご紹介します。
下ごしらえ
栗と同じで硬い皮は食べられないので、皮をむくことから始めます。
おっとその前に大事なことがあります。
自然の山から採って来るものなので、傷んでいるものや中に虫が入っているものも稀にあるのです。
見分け方は簡単、水に浸すと大方は沈みますが、傷んでいたり虫食いがあると中身が軽いので浮かびます。
浮かんだものは取り除きましょう。
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お風呂より少し熱いぐらいのお湯に10分ほど浸けておきます。
どんぐりにもいろいろあって、人間の食用に向くのはマテバシイとスダジイの二種類です。
そうです、語尾のシイやジイは椎です。
今回使ったのはマテバシイ、縦長の大き目のどんぐりです。
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お湯から上げて、フライパンでころころ転がしながら煎ります。
5分ぐらい経った頃でしょうか、いくつかは縦に裂け目ができます。
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裂け目ができなかったものはキッチンバサミでこうやって切り込みを入れると剥きやすくなります。
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裂け目か切り込みが入れば剥くのは簡単です。
中からきれいなベージュ系の色をした実が出てきます。
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栗よりもスムーズに皮剝きが進みます。
見かけはちょっとピーナツに似たナッツですね。
このままいくつか食べましたが、普通に違和感のない味で美味しいです。
ナッツとしてお酒のつまみにもなりそうです。
前菜
さて、フルコースの始まりです。
前菜の一品目は、いわばどんぐり豆腐、トトリムクという韓国料理です。
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どんぐりを擦りつぶした粉を水で溶いて、加熱した後寝かせることででんぷん質を固めて作ります。
こちらは仲間の一人が前の晩から夫婦でひたすら剥いて、粉を挽いて、水で溶いて、火に掛け、寝かせて、固めて、作ってくれました。
いやぁご苦労様でした。
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こんな風にソースをかけて盛り付けると、なかなかお洒落な一品に❤
お味の方は栗に近い香りで、クセのないナッツの豆腐という感じです。
食感は水ようかんにツブツブが入ったイメージです。
胡麻豆腐に色や雰囲気は似ていますね。
どんぐり粉だけで作ったものの他に、寒天を入れて固さを強めにしたものが韓国では一般的なようです。
調べたところ、トトリはどんぐりで、ムクは寒天だそうですから、トトリムクは直訳するとどんぐり寒天ですね。
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前菜の二品目はどんぐり粉を練り込んだ豚肉入りチヂミです。
これ、すごく美味しかったです。
やはり仲間が山で見つけてきてくれた野草も何種類か入っていて風味豊かです。
お気づきの通り、韓国料理にはどんぐりが入ったものが結構あります。
冷麺にもどんぐり粉が入ったものがあるそうです。
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トトリムクと同じソースをかけて頂きました。
美味しくて、何切れでもいけます。
主菜
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メインも韓国料理で揃えて参鶏湯(サムゲタン)です。
丸鶏を真ん中に据え、私の畑の里芋やさつまいもも入れて、栗の代わりにどんぐりを入れました。
参鶏湯は本来、とろみのある白濁したスープですが、鍋の蓋をあけてびっくり真っ黒でした。
これもどんぐりパワーだったのでしょうか。
ちょっと見かけはコウモリとか入ってそうな(本当は入ってませんよ!)魔女のスープみたいでした。
味は悪くなかったので、まあいいか。
デザート
どんぐりコースはここで終わりではありません。
スイーツもしっかり、どんぐりで作りました。
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どんぐりで作ったモンブラン風のクリームです。
仲間の奥様が作ってくれました。
ピーナツ入りのパンドカンパーニュのスライスに乗せて。
まさにモンブランの上に乗っているクリームですね~。
クリーミーで栗の香りがタマリマセン!
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もう一品、どんぐりグラッセがトッピングされて洋酒入りのどんぐりクリームがアイシングされた栗のパウンドケーキです。
私の妻が作ってくれました。
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中に入っているのは栗のマロングラッセです。
どんぐりと栗の競演、バターとよく合います。
コーヒーと一緒に美味しくいただきました。
最初は恐る恐るだったどんぐりメニューですが、どれもなかなかイケてました。
みんなでいったい何個のどんぐりが胃袋に収まったか分かりません。
縄文人になった気分で秋の味覚を満喫した一日でした。
それではまた。
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